埼玉県で精神科医療人権センターを立ち上げたいと思ったのは20年以上前にさいたま市にある精神科病院で看護助手として働いていた経験からです。こんなに豊かな日本でこんな環境があっていいのだろうか、人(看護師)が人(患者)を支配することが許されていいのだろうか、と思ったからです。その後も作業所や生活支援センターで働きながら理不尽な場面に遭遇します。本人よりも家族の意思に従って入院させてしまう支援者や家族を誘導して本人を入院させてしまおうとする支援者がいて、診察という名の強制入院宣告。人を監禁することに鈍感になっている医療従事者や支援者たちに唖然としました。

 一人でも二人でも孤独の中で苦しんでいる人の救いになれたらと思います。

 入院以外でも大量処方や副作用の問題など精神科医療の問題で苦しんでいる方がたくさんいます。小さな点でも何かの起点になればいいなと思っています。

埼玉県精神医療人権センター 代表 星丘匡史